大学も卒業が近づき、国家試験が意識される頃になると何科に進むのかを決めることになります。
脳外科は、主に手術室が活躍の場で重症の患者さんの手術が多い。内科は、病床に伏しておられる入院患者さんへの治療のウエイトが高い。
耳鼻咽喉科は喉頭癌や蓄膿症の手術もありますが、基本的に外来で患者さんと同じ目線で対話をしながら診療ができる。
耳鼻咽喉科以外の選択肢は考えられませんでした。この患者さんと同じ目線でコミュニケーションを図りながら治療を進められることが、私にとって耳鼻咽喉科診療の最大の魅力なのです。
病状にもよりますが、患者様一人当たりの診療時間は何十分もありません。限られた診療時間に、患者様は現在の症状を切実に訴えられます。私は出来るだけわかりやすい病状と治療方針の説明に全エネルギーを注ぎます。そうです、毎日のお一人お一人との対話は真剣勝負なのです。
すべての患者さんが最も望まれることは、つらくて困っている症状をできるだけ早く取り除いてもらうことです。これに対し最善の治療を行うのは医師として当然の務めです。
しかし実際に毎日診療していると、個々の患者さんのニーズが一様でないことがわかります。
薬は出来るだけ飲みたくない。現在の症状が何という病名で、その原因と対処法を教えて欲しい方。
ややこしい話より、早く診察が終わって薬を貰って帰りたい方。
他院での治療に不満をもっておられ、納得いくまで説明も検査もして欲しい方。
等々様々です。
しかし、これらは患者さんからドクターになかなか伝えにくいものです。
私はこの様々な患者さんのニーズ、「心の声」を限られた診療時間のコミュニケーションでいかに的確に捉えるか、そして患者さんの「心配」を「安心」に変えられるよう日々努力しております。
明治以来、医者の言うことは絶対で患者さんはとりわけ疑問も持たずそれに従うという時代が長く続いていました。
しかし現在はインフォームドコンセント(医師の権威に基づいた医療を改め、患者の自由意思を尊重するという理念)の浸透、インターネットの普及による医療情報の一般化がみられます。
当院では患者さん第一主義、症状にもよりますが可能な限り複数の治療法を提案し、その中で最善のものを納得していただいた上で治療を進めています。
従来より耳鼻科は頻回に通院するというのが一般的でした。
しかし、医学の発展により必ずしもその必要は無くなってきています。
患者さんはお仕事や子育て、学業や趣味など毎日お忙しい方が殆どです。そういう個々のライフスタイルに合わせ、出来るだけ「通院回数を減らす」、「可能な限り早く治る治療法を選択する」、「一回の通院ですむ治療は、一回で済ませる」を徹底しています。
これが当院の診療の根幹です。
「明石のしもむら耳鼻科に行って本当によかった」といって頂ける医院を目指してまいります。
これからもどうぞ宜しくお願いいたします。
私たち、しもむら耳鼻咽喉科のスタッフは患者さま全員が安心して受診いただき、皆様に信頼と笑顔をいただける心に寄り添える明るい医療機関を目指しています。
患者さまが癒される医院が私たちのモットーです。
心から笑顔と優しさでお待ちしております。